先生の青





「カナさんは先生の事を
どう思ってるんですか?」



カナさんは私の目を見てから
2、3度うなずき



「そう、
最初から聞いてたわけだ」



「別に盗み聞きするつもり
じゃなくて………」


「別に盗み聞きなんて
思ってないよ?」


どこまでも余裕がある
彼女の態度にうつむいてしまう



「お待たせしました
アイスティーです」


店員さんがアイスティーを2つテーブルに置いて去っていく


カナさんはシロップを
アイスティーに入れ
ストローを回して混ぜた



「まさか、あの子」


カナさんが先生を『あの子』と呼んだ事にドキッとする



「あの子、市花さんと……?
サイテーね、教師失格だわ」


カナさんは独り言のように
呟いたあと



「そう思って話していいのよね
泉と市花さんは一線を越えてる」


何も言えずうつむく私に


「………可哀想に」


哀れむよりは蔑むように
彼女の声が聞こえた時は



胸がぐちゃぐちゃになって
ジンジン痛くなるほど
顔も耳も熱くなった


可哀想に


彼女の言葉は
これ以上ない屈辱だった