悪魔って………
先生、自分で言わないで
それ 私のセリフだよ………
「イチが泣くと哀しいのに
どこか安心する………
まだつなぎ止めておけるって
泣いてオレを頼るイチに
鳥肌たつくらい胸が震えるよ
満たされるんだ
傷ついたイチを慰めて
オレの存在を
許してもらってるような
イチはオレの全てだよ
誰がなんと言おうと
イチは離さない」
「………依存ね」
「……笑わせんなよ
お前に言われたくないね
恋も愛も依存も弱さも
そんなの……どうでもいい
オレには、わからない。
ただ、イチが必要なんだ」
足を引っ掛けられて転ばされて
倒れたところを
ハンマーで殴られたくらいの
衝撃だった
自分はカナさんと関係を持ってて私には隠して寂しいと甘えて……
なんだよ、それ。
責める言葉すら浮かんでこない
わけわからないよ、先生
「………イチ、遅いな」
「あ、待って
私ものど乾いたし
見てくるわ………」
あ、カナさんが出てくる
話を聞いてたなんて
知られたくない
急いで逃げようとしたけど
足が廊下に張り付いたみたいに
重くて動かなかった
ガラガラッ……
病室を出てきたカナさんと
バッチリ目が合う
驚いたように
目を見開いたカナさんは
それでも病室の先生に
気付かれないように
静かにドアを閉めてから
「……どこから
聞かれちゃったのかなぁ?」
そう笑い私を見つめた



