先生の青





息が詰まりそうになって
勢いよく椅子から立ち上がる


そんな私を
驚いたように見た先生に



「……あ、のど乾いちゃった
何か買ってくるね」


「だったらオレが行くよ」


少し腰を浮かせた先生を
手で制して



「大丈夫。自分で行けるから」


うつむいて言う私の手首を掴み


「疲れたなら帰るぞ?」


心配してくれる先生の
手を振りほどき


「大丈夫。
じゃ、少し失礼します」


カナさんに会釈して
病室を出た


ドアを後ろ手に閉めると
足の力が抜けて
廊下にしゃがみ込んでしまった



…………きつい


自ら望んでここまで来た


だけど、想像以上にきつい


私の知らない先生が


まるで他人に見える………



病室のドアにもたれかかり
顔を両手で覆うと


意外と壁が薄いのか
先生とカナさんの会話が
聞こえてきた