カナさんは私から
ベッドサイドの花に
視線を移し
「すごい綺麗な花
市花さんからいただいたの?」
先生がうなずくのを見てから
「お気遣いありがとう」と
彼女は頭を下げた
「………いえ……」
緊張し過ぎかな?
声がうまく出ない……
フミさんを囲むように
3人、椅子に座ると
「泉がまさか
生徒に手を出すような
不良教師だなんて」
カナさんが呆れたように
先生に言うと
先生は笑って
否定も肯定もしないから
「……ち、違うます。
先生と私はそんな関係じゃ……」
首を横に振って否定する私を
カナさんは「ふっ」て
吹き出して笑った
「ふふふ………あはは」
肩を震わせ笑うカナさんに
困惑してると
「……ふふっ………
ね~、フミ聞いた?
『先生』だって
あの泉が『先生』だってぇ」
呆気にとられる私の隣で
「うるさいよ、カナ
笑いすぎだから」
「だって、だって
泉が……ふふふ」
先生をからかって笑うカナさん
少し照れくさそうにする先生
フミさんを挟み
向き合う二人
そこは昔から
お互いを知る者同士だけの
親密な空気がある
同じ空間にいるのに
私は切り離された
別の場所にいるみたい
完璧なひとりぼっちだ



