次の土曜日の朝早く
先生の部屋を奇襲する
ピンポン、ピンポン
連打すると
ガタガタッて物音の後
ドアが開き
まだ寝起きの先生が
不機嫌そうに顔を出した
「おはよーございます先生」
私の顔を見ると
目が覚めたのか
「イチッ……?
どうした?何か……」
何かあったのか と
心配する先生を押し退け
部屋に入る
リビングへ進んだ
私の後を追って
「イチ、本当に何が」
「私も一緒に行く」
先生の目を真っ直ぐ見て言った
「フミさんのお見舞い
私も連れて行って」
「―――――――――……っ」
先生は言葉を詰まらせて
「……な、なに言ってんだよ」
「だから、私もお見舞いに行く
フミさんに会って
早く目が覚めるように祈る」
「ふざけんなよっっ!お前!
からかってんのかっ!!」
身体に響く怒鳴り声
一度も向けられた事のない
怒りの目
私をにらみつける先生から
目を逸らさず
「ふざけてないし
からかってもないよ
だけど、そうしないと
私、ダメになるもん」
「………イチ」
「話だけじゃなく
先生の抱える物を
身体で受けたい
私、本気だよ」
しばらく無言でにらみ合う
目を逸らしたのは先生の方
「………わかったよ」
諦めたように目を伏せ
低い声で先生はうなずいた



