頭から熱いシャワーを浴び
降り注ぐお湯の音だけが
耳に響く
このまま
ずっと このまま
都合の悪いことには目をつぶり
お互いの寂しさを
重ね合わせて行ったら
無理に愛だの恋だの考えず
ずっと このまま………
シャワーから出ると
リビングに先生の姿がない
…………あれ?
不思議に思うと
アトリエから声が漏れてきた
「………いや、大丈夫だよ」
「………うん。わかった……」
先生、電話中?
先生の声の調子を聴いて
胸がざわめく
「……うん、じゃあな、カナ」
私が胸を痛めるのは
おかしな話で
いくら目をつぶっても
現実は変わらない
わかってて飛び込んだクセに
カッコ悪い自分に腹がたつ
なに 夢見ちゃってんの?
ガチャッ……とドアが開き
リビングに立ち尽くす私に
先生は少し驚いた顔をした
手に握ってたケータイを
ハーフパンツの
ポケットにしまい
先生は明るい声で
「腹減ったな、
ピザでもとるか」って言った
私も「うん」ってうなずいた
自分のバカさ加減に
改めて気付く
そして 足りないんだと思う
まだまだ もっと ちゃんと
先生の中に飛び込みたい
もっと ちゃんと
深いところまで
自分を惑わすことが
出来なくなる
そんなところまで行きたい
この気持ちが消えないなら
曖昧な痛みは眠くなるだけだ



