部活も終わり
みんなが片付けしてる中
本を片手に
先が気になるから
もう少し読んでから帰るなんて
言い訳をして美術室に居座った
誰もいなくなった美術室
本なんか読みたくない
床にマンガをポイと捨てて
ひざを抱え丸くなった
職員室に行ってた
先生が戻ってきて
「あれ?イチ、まだいたのか」
ひざを抱えて丸くなったまま
ピクリともしない私に
「イチ?どうした?
何かあったのか?」
小さな子供に
話しかけるような声
そっと優しく私の頭に手を置き
「イチ、どうした?」
………どうしてだろう
この人だって
私を傷つけるのに
涙が溢れてくる
素直に甘えたくなる
寂しいをぶつけたくなる
「イチ?」
心配そうに
私の顔をのぞき込んだ
先生の首に腕を伸ばし
抱き着いた
温かい首筋に顔を埋めると
ぶわっと一気に泣けてきた
肩を震わせ泣きじゃくる私を
しっかり抱きとめ
先生は背中を擦って
「……どうした、イチ?」
私が首を横に振ると
先生はため息ついて
「……そうか、言いたくないか
いいよ、泣きたい時は
思いきり泣け、イチ」
止めどなく流れる涙と
漏れる嗚咽や しゃっくりで
子供みたいに咳き込みながら
思いきり泣いた
「大丈夫、大丈夫だよ、イチ
オレがいるから安心していいよ」
どうして こんなにも
先生なんだろう
泣きたい場所は
泣きたくなる場所は
先生の腕の中だ
声にならない想いの分だけ
先生の背中に爪をたてた
弱いのは、私だ



