先生の青




動揺したように
お母さんは目を泳がせた


「大丈夫だよ
誰にも迷惑かけてないし
心配しないで」


ドアを閉めようとした時
急にガッと
お母さんがドアを掴み


「そういうわけにも
いかないのよ、市花!」


お母さんの剣幕さに
一瞬 ひるんだ


でも


「市花が外で好き勝手されると困るのよ」



なんか それって………


お母さん、それって……



「もしかして、
おばあさんに
何か言われるから?

ねえ、お母さん
まさか おばあさんに
私の事で責められてんの?」



私が外で好き勝手する


前に一度、おばあさんが
私に言った言葉と
ニュアンスが同じだった



お母さんが急に
私に声をかけたのは

自分が姑に小言言われるから?



「そうじゃないわ、市花
だけど、本当に外泊は……」



「わかった。

家族にバレないようにするよ

靴でしょ?
私がいないのバレてんのって、きっと

ダミーの靴、用意するね」



「……市花」


いつから 私を そんな目で
見るようになったの?


私が外で好き勝手してるって
マジで思ってんのかよ



……好き勝手してくれたのは
どっちだっつーの



いや、こんな風に思うのも
バカバカしい


そもそも この人と私に
信頼関係などなかったんだ



この人が私を疑うのも当然
姑に言われたせいでも
話かけただけスゴいのか



今度こそドアを閉めた
ノックされる事はもうない