先生の青




1階の奥の空き教室
先生は少し乱暴にドアを閉めて



教室の後ろの
カーテンの影まで
私を連れて行く



先生の手にあった缶が
床に落ちて大きな音をたてた



あっと思う間もなく
きつく抱きしめられ


く、苦し………


あまりの腕の強さに
持ってたイチゴミルクを
落とした



先生の胸に顔を埋めて
息が詰まると


後頭部をわしづかみにされ
彼の胸から顔が離れると
先生が私の唇に噛みついてくる



これは もうキスなんて
可愛いモノではない


先生の舌が私の舌を捕らえて
唇で強く吸われると
全身の力は抜ける



激しい鼓動に
頭ん中がクラクラしてきて
ギュッと先生にしがみついた




やっと唇が離れて
「はぁ―――」って
ため息ついて
先生の胸に顔を埋めた



ギュウ……
先生は私を抱きしめ
髪を撫でて



「……オレ
イチがすごい可愛い」



耳元で囁かれて
全身が甘くしびれ
胸が苦しくなった



目を閉じると
あの日の夕方
シーズー犬の丸い目が浮かんだ



可愛いか
そりゃ そうだ
めちゃくちゃ懐いてるし
忠犬だよねぇ………



……自虐的なのはやめよ
怖いし 引くって……