学校が夏休みに入り
私は引きこもりみたいな
生活になった
家は相変わらず
居心地が悪いけど
自分の部屋にこもってる分には
大丈夫だった
ただ あまりにも
守られた空間は
自室だけになっちゃうと
本当に部屋から
出られなくなりそうで
平日の昼は
ちゃんと部活に出掛けた
夏休み明けに
美術展があるから
上手い部員は
黙々と作品を仕上げていく
せっかく先生が
湖に連れて行って
くれたけど
私は あの絵を仕上げる
気が起きなくて
美術室に顔を出しても
本を読んだり
粘土で遊んだりしてた
先生が声をかけて
くる事もなければ
私が声をかける事もない
あれ以来、ふたりで会う事も
話す事もなかった
喉が渇いて
美術室を出て
階段近くにある
自販機に向かった
日の入らない
自販機近くの廊下は
いくぶんか涼しい
財布片手に見ると
飲みたかった
イチゴミルクが売り切れだった
夏休み中なのに
なんでやねん って
心の中で自販機にツッコミ
少し考えて
一階の自販機まで
イチゴミルクを求め
行くことにした



