「フミは今も眠ってる
いつ意識が戻るかは
わからない
オレは週末
フミの病院へ行くんだ
フミはオレの顔なんか
もう見たくないだろうけど
一生かけて償いたい
フミの目が覚めたら
そばに寄るなって言うなら
近寄らないように
遠くから守りたいし
そばにいることを
許してくれるなら
責任をとりたい」
先生が言った
『責任』って言葉に
違和感を覚えた
仕方のないこと
だったんじゃないか
先生が
フミさんにできたことなんて
何もなかったんじゃないか
そう思うのは
私が先生を好きで
部外者だからなのかな……
先生は本当に
フミさんの目が覚めること
信じてるのかな……
先生が捨て身で投げやりなのは
自分が背負った物に
押し潰されてるからでしょう?
楽になりたいって
思ってるから……
「……先生、カナさんは?」
先生は少し間をあけて
「フミが自殺未遂してから
すぐに大学を辞めて
不安定になった
おばさんを支えながら
フミの世話もして
大学の時の先輩と
去年、結婚したよ」



