口を開いては つぐむ
なかなか言い出さない私に
しびれを切らしたように
強引に入って来ようとする。
「………やっ。待って」
英雄さんの肩を掴んで
腕をおもいきり突っ張った
「……なんだよ、市花」
「………けて欲しい」
「は?」
「……ちゃんと付けて欲しい」
言ってしまうと身体が震えた
不機嫌な顔をして
「大丈夫だって
外で出してる」
「……でも、やっぱり」
「わかった、今度な。
今、持ってないし」
そんなこと言って付けてくれた
試しは一度もない
続けようとする
英雄さんの身体を
腕で必死に押し返して
「私っ……持ってるから」
その言葉を聞くと
ギュッと眉を寄せて
「なにお前、買ったのか?」
カァァァァァァァァ……
耳が痛くなるくらい
顔が火照った
哀しくなるくらい
恥ずかしかった
「だから……付けて欲し」
「大丈夫だっつってるだろ?」
上から浴びせられる言葉
「そんなに信用出来ないなら
お前がピル飲めよ」
どこに愛情を
探せばいいんだろう
彼を押し返そうとした
私の腕から力が抜けて
するり…とシーツの上に落ちる
感じるのは引き裂かれるような痛みだけだった



