先生の青




「もう寝よう」


先生が そう言って
部屋の明かりを消した


ふっ……と辺りが暗闇に包まれ
カーテン越しの
夜の闇の方が明るく見えた



「イチ用の布団買おうかな」



一緒にベッドに入って
先生は独り言みたいに言った



こうして一緒に寝る事が
普通になっていくのに
戸惑う自分から目を逸らしたい



私の居場所は ここしかないし
私には先生が必要だから



暗い天井をじっと見つめると
先生がこちらに寝返りをうって



「眠れないの?」


私も先生の方に身体を向け


「そういう……わけじゃ
……ないけど」



目と目が合うと
捕まったように
目が逸らせなくなった



ドクドクドクドク
高鳴る鼓動が耳に響き
呼吸が少し乱れる



先生は手を伸ばし
頬にかかった私の髪を
そっと指先で耳にかけた



そのまま さっきみたいに
私の髪を大きな手で撫でて



キュウ……って
全身が甘くしびれるのを
打ち消すように



「……先生!」


思いの外 大きな声が出た


先生は表情をなくした顔で
ピタリと手を止める


……まだ、ダメだ
絶対にダメだ



このまま変な流れに
乗ってはいけない


流されたら
きっと先生を失ってしまう



互いに傷つきあって
きっと先生を失ってしまう