初めて会った次の日
待ち合わせの駅の改札
10分早く着いたのに
もうすでに
英雄さんは待っていた
「待ちきれなくて
早く来すぎた」
照れたように
笑った顔にドキドキした
駐車場に停めてあった黒い車。
車種はわからなかったけど
大きくてシートもふかふかで
高級車ってことだけはわかった
映画、レストラン
夜景の綺麗な高台
全てが私を夢中にした。
英雄さんは ずっと隣にいて
ずっと私を見てた。
好きだった。
一緒にいると楽しかった。
いつから こんなことに
いつから
変わって行ったんだろう
いくら記憶を辿っても
その境目を見つけることが
出来ない
「………待って」
私に覆い被さり
中に入って来ようとする
英雄さんの
汗ばんだ太い腕を掴んだ。
「………なに?」
乱れた呼吸で呟く
英雄さんの目が
暗闇に冷たく光った
口を開いても
なかなか言葉が
出て来てくれなかった
言わなきゃ 言わなきゃ
いつも思ってた



