私のあと
先生もシャワーを浴び
ベッドに座って
バスタオルで
髪をワシワシ拭く先生に
「そういえば、この部屋って
何に使ってるの?」
何気なくリビングの隣の部屋を指差して聞いた
「ああ」って先生は
部屋のドアを見て
「絵を描くのに使ってる」
「アトリエ?」
「ははっ、
そんなに いい物ではないけど」
「見てもいい?」
「どうぞ、ご自由に」
先生のアトリエかぁ
子供みたいな好奇心が湧いて
ワクワクしながらドアを開けた
油絵の具の匂いがして
部屋の真ん中に
イーゼルと丸い椅子
横にはパレットや筆、絵の具が散乱したテーブル
隅にはキャンバスが
立て掛けてあった
やっぱり どれも海の絵だ
………やっぱり スゴいなぁ
波とかも
今に飲み込まれそうなくらい
迫力がある
床にスケッチブックが落ちてて
………なに描いてあるんだろ
かがんで拾いあげようとした時
「イチ!」
部屋の入り口に立ってた先生が
厳しい声で私を呼び
スケッチブックに
伸びた手を止めた
「……もう、いいだろう?
こっちにおいで」
スケッチブックの中が
気になったけど
仕方なく うなずいて
リビングに戻った



