先生のリクエストで


今夜は酢豚
あと美味しかったからって
前にも作った蓮根のきんぴら



先生の家に入り
冷蔵庫の前に
買い物袋を置いて


リビングを見ると思わず



「なにこれぇ~」


相変わらず散らかった部屋に
ガックリくる



先生は私のすぐ後ろで


「散らかってた方が
落ち着くから……」


頭を掻きながら
言い訳する先生をにらみ


「先生は食材 冷蔵庫にしまって
私、まず掃除するから」


「いいよ、掃除なんて」


「イヤ。
こんな部屋でご飯なんて
信じられないっ!」


視線を足元に落とすと
くしゃくしゃに丸まって
脱ぎ捨てられた靴下がある



脱いだ物は
すぐ洗濯かごに
入れなさいよぅ



ため息ついて
床に散らかった物を
拾う私を見て



「………ぶっ」


先生が吹き出して笑った


「何がおかしいのっ?」


キレ気味に言うと


「いやいや」


先生はクスクス笑いながら


「イチって、
おかんって感じだよね」


…………おかん?


女子高生におかんだとっ!


「先生が だらしなさすぎなの!
さっさと食材しまってね」



「はいはい、おかん」


「おかんじゃないっ!」



いつまでもクスクス笑いながら
先生は冷蔵庫に野菜などを
しまってた