先生を叩いた
手のひらがジンジンする
先生は涙目で背中を擦り
「芸術でヌードを
恥ずかしがるなんて
お前も まだまだだな……」
まだまだで結構だよっ!
ヘンタイ教師めっ!
「私は先生と同じ
海が描きたいのっ!」
勢いに任せ言ってしまうと
先生は
スッ……と表情を失った
「…………海?」
呆然と呟く先生を見て
いけない事でも言ったかな?
でも
「いつも先生が描く青が
すごく素敵だから
私も同じ海を描きたい」
「…………別にあんなの……」
先生は
動揺を隠しきれない様子で
視線を床に落とす
「先生、前に出身地の海って
言ってたよね?
N市の海なんでしょ?
今度 行ってみたいな」
「いや、オレは」
先生は言いかけて
口をつぐみ
両手で覆うようにして
顔を擦った
………なんか 私
スゴい地雷踏んだ?
重たい沈黙が私たちを包み
耐えきれなくなって
「………ごめんなさい
忘れて、先生
やっぱり美術展も
出す気ないし」
「いや、違う」
先生は止めるように
手のひらをこちらに向け
「違う、違うんだ、イチ
イチは悪くない
ごめんな?
嫌な気持ちにさせた」
ふぅーって
大きく息を吐き
先生は
気持ちを落ち着かせてた



