先生の青





「そういえば、イチ」


「なぁに?」


「今度の美術展用に
何か描かないのか?」


……そういえば
夏休み明けにあるっけ?



「ん~。私、絵は好きだけど
上手くないし」


「芸術なんてな
技術も大切だけど
最終的には
好き嫌いなんだから」


………いや、それは
三島先生
たった一人の見解だから



「好きだって気持ちで
描くのが一番だぞ
評価や受けを狙う作品は
オレは嫌いだね」



…………好きだって気持ちか


先生は あの青を描く時
好きだって
気持ちを込めてるのかな?



「……でも題材もなぁ
何を描こう」


「描きたい物ないのか?」



描きたい物
そう訊かれて
思いつくのは



私は先生をじっと見つめた


先生は きょとんと首を傾げる



描きたい物は
先生と同じ
あの青が描いてみたい



美術展とか関係なく
一度でいいから
先生と同じ…………


口を開きかけた私に

先生が


「ま、まさか、お前……」


え?


先生は動揺したように
口を両手で覆い


「や……、でも……
うん、仕方ないな
イチの頼みなら……」


ん?先生 なに言ってんの?



「イチの頼みならいいぞ
先生、脱いでもっっ!」



    バシィッッ……


先生の背中を
おもいっきり叩いて


「サイッテー」



「……イチ、暴力反対」



なんで私が
先生のヌードなんかっ