先生の青




先生はため息ついてから
椅子に座り机の上の
カップケーキに手を伸ばした



がさがさって
ラッピングをはがす音を
背中に聞いて


窓に頬杖ついて
空をながめる



強い夏の陽射しに
真っ白な入道雲



「早く大人になりたい」


グラウンドで
サッカーをする男子の
「うぉっしゃーっ」て
雄叫びが聞こえた



「早く大人になって
一人で生きるんだ」


仕事して給料もらって
早く家を出たい



「早く大人になりたいよぉ」



先生はクスクス笑いながら


「ナマイキ言ってるよ」



子ども扱いに少しムッときた


「ナマイキじゃないよ
早く自立して
一人で生きるの」


振り返り
先生を見つめると
目が眩んだ



先生はカップケーキを
かじりながら



「例え、自立しても
人との繋がりは
簡単に切れないさ」


「………そぉかなぁ?」


「そうだよ」



穏やかな表情を浮かべる先生が
すごく大人に見えちゃって



少しつまらなくって
また背を向け
窓の外を見つめた




先生に
英雄さんと
血が繋がってたことは
言わなかった



知られたくないよりも
それを知った先生が心配だから



私よりもショックを受けて
今度こそ
何をするかわからない



自分の立場を
かえりみないで
先生は怒りに任せ
英雄さんを殺すかも



そんなこと
先生にさせたくない