先生の青





ドクドクドクドク……


不安で鼓動が早まる


手のひらには汗がにじむ



「お前、名前の由来
ちゃんと知ってる?」


「名前の由来?」


「なんで、お前は市花なの?」


なんでって…………


英雄さんはクスクス笑い



「お前、何も知らないの?

んじゃ、父さんの名前は
当然、知ってるよな?」



「………お義父さん?」


「言ってみろよ
父さんの名前」



お義父さん………



「い、一ノ瀬……英市(エイイチ)」



―――――まさか―――――




「長男のオレが英雄
そして……………
妹のお前が市花」


……嘘でしょう?



「お前の母親も
なんつーかバカ?

自分を捨てた男から
律儀に一文字とってよ……」



「うそ……
うそ、うそだよ!」


首を横に振り
混乱した私に



「昼間は保険のオバチャン
夜中はコンビニ店員が
どうして大学病院の教授先生と再婚できるんだよ」



「そんな……」



「正妻との間に
娘が欲しかったけど
出来なかった父さんが


偶然、再会した
かつての愛人に
自分の娘がいると
知らされて


生活は困窮
高校の進学も難しい


助けてやりたいと
お前を引き取る話が出る


それが原因で
オレの母親は
ここを去り


お前らが、のうのうと
今ここで暮らしてんだよ」