「え…待って… どうした?なにいきなり…」 うまく呼吸ができない。 「ごめんね… 慶ちゃん… 幸せになって?」 その言葉のあとに電話は切れた。 電話を切ったあとにその言葉が現実味を帯びてきた。 愛梨の苦しみにも気付いてやれずに… その日から僕はだんだんと口も開かない。 笑わない人形のようになってしまった。 ただ学校も行かずじーっと部屋に引きこもる。 その生活を繰り返していた。 愛梨が居ないことがどれだけ辛いかを、僕はこの時初めて知った。 ・