あれから一時間程
経ってから僕の部屋のドアがノックされた。


ー…コンコン

「はい」

僕がドアを開けるとそこに立っていたのは愛梨だった。


愛梨の顔はどことなく切なげに歪んでいた。


「あ、あの…ね」


その先を中々言い出さない愛梨を取り敢えず僕の部屋の中に入れた。


ベッドの上に座った愛梨は俯いたままだ。



暫くして、愛梨がとんでもないことを口にした。


「あたし…
あの人のところで暮らしてみようかなと思うの…」




「え?」