「ただいま」

僕の帰る先は家ではなくて親が経営するバイク屋の店舗。

「おかえり」

僕の兄貴的存在、門真 総一…そーちゃんが店先に出ていた。

お客様のバイクの洗車をしている。

「着替えたら僕がするから」

そう声を掛けるとそーちゃんは優しく微笑んで頷いたような頷いてないような…

そーちゃんは優しいから僕にあまり手伝わなくていいって言うけど。

それじゃ、いつまで経っても僕の技術は向上しないから。