「…大丈夫?」

助手席に乗せた真由ちゃんは涙を拭きながら頷く。



聞けば、タレント養成所のオーディションを受けるかどうかで拓海とケンカ中らしい。



「モデルになって…
チームのキャンギャルをすれば…
もっとチームは有名になるんじゃないかって…」

嗚咽混じりに真由ちゃんは言った。



…まあ、オーディションの動機は友達の半分いたずら、半分本気の写真投稿だったに違いない。



けど、真由ちゃんは自分の容姿に自信があった訳じゃない。



− これもチームの為 −