「あ、真由ちゃん!」

まだ幼い顔をした拓海くんの弟、祥太郎くんが手を振った。

私が立ち寄ったのは拓海くんの両親が経営するバイク屋さん。

一度、ちゃんと話をしようって思ったから、来た。

「兄ちゃんなら奥にいるよ?」

まだ中学1年生なのに、一人前にお店の制服を着てバイクの洗車をしている。

「あ、うん…」

私は思わず俯いてしまった。



…行きにくい。