そう言った瞬間、また優人に抱きしめられた。

今度は向かい合って。

「香織がいい…。」

「優人…。」

アタシは嬉しくて嬉しくて、しばらく抱き合ったまま泣いた。






しばらくして、アタシはようやく泣き止んだ。

時計はもう夜十時。法律で高校生がバイトを許される最後の時間。

どれくらいの時間、泣いてたんだろ…。

バイトが終わったのが八時で…この公園に来たのは八時半…?

さっぱり分からないけど一時間位、優人とくっついてた事になる。



泣きすぎて、体が少し疲れてるみたい。

アタシが顔を上げたのを確認して、優人がくっついていた体を離した。

…不思議。さっきは嫌だったけど今は不安にならない。

目の前にいてくれるだけで安心する。