部屋の入り口からいい匂いがしてきた。

時計を見ると、もう12時を回っていた。

「ご飯できたわよ~。降りてらっしゃ~い。」

絵里ママに呼ばれてアタシ達はリビングへ向かった。



「いただきまーす!!」

あんなに真剣に悩んでいたのが嘘のように笑い話しをしながら3人でミートソースのスパゲティを食べた。


「ご馳走様です。美味しかったです。絵里毎日こんなに美味しいご飯食べてるなんて羨ましい~」

「えへへ。ママ怒ると怖いけど料理は上手いんだよね。」

「絵里ったら。一言余分でしょ?
香織ちゃんいいのよ~。またいつでも来てね。前もって言ってくれればいつでも香織ちゃんの分も用意しておくわよ。」

「いいんですか~!?毎日来たいです。なんちゃって…。」

そんな他愛もない話で盛り上がった。



バイトの時間が近づいてきて、絵里の家から直接バイト先に向かった。


肌寒いと感じている風が今日はとても心地よかった。