結局大して話もしないまま香織の家に着いた。


香織の家のあるところは公園より遥かに暗い。

懐中電灯が人が歩いている目印になる。


俺は車を停めて、あたりを見回した。

…誰も見えない。



周りを見渡し終わると、自然と香織に目がいった。

…つまんなそうな顔すんなよ…。

…そんな顔されたら帰れねぇよ…。



香織と一緒に車を降りると、再び『おまじない』をした。

頬にそっとキスをした。

…夜だから『おやすみ』だな。

キスをしたあと、香織に『おやすみ』と言って別れた。