繋いだ手をちらちら見てると、あっという間に家に着いた。


「着いたぞ?」

「うん…ありがとう。じゃ…オヤスミなさい…。」

思っていたより早く着いてしまった事でアタシのテンションは少し下がった。


優人はアタシの気持ちを察して、ぐいっとアタシの体を自分の方へ引き寄せた。

「本日最後のおまじないな。」

耳元で囁くと、頬にキスをして『おやすみ』って言ってくれた。

アタシは顔が真っ赤になったまま、優人を見送って家に入った。



家に入ると、ミルクがアタシの元に歩いてきた。

それを見て、優人に話し忘れた事を思い出した。

あ゛ー!!忘れてた!!

ミルクの事を話そうと思ってたのに…。



優人とはしばらく二人きりで会うこともできない。

テスト期間だから電話とかメールもできないし…また今度でいっか…。



まさかそんな事でちょっとしたトラブルが起きるとは思いもしなかった。