除々につかまっていった奴。 赤い果実を取ってしまった奴。 そんな奴らよりも、 俺の方がバカだったんだ。 だって、 俺は一瞬で福森に恋に落ちたから。 時間なんて要らなかった。 だた惹かれてしまった。 時間も要らなければ、 理由なんてのも要らなかった。 だた、好きだったんだ―――― たどり着いた校舎裏。 息を切らしてまで走っていった場所に、 女子たちの姿はもちろん。 福森の姿はなかった。 「・・・・・・谷澤くん?」