「いいなー、この席。
変わって宙人ー・・・・・・」


「変われるモンなら変わりたいよ」


「ナニ!? 変わってくれんの!?」


「ムッティが許してくれたらな」





この言葉に悪友の郁也が止まった。


ムッティこと向井は、
俺が所属する剣道部顧問。


勝手に交換するのを禁じられてる席を
勝手に変えようものなら、

1週間地獄のワンマン特訓が待ってる。



剣道部だけにかかわらず、
席を勝手に変えたら担当である数学の地獄の課題がある。




何でそんなに席にこだわるかなー。




1学期まではうっすらそう思ってただけの俺。



2学期の席替えでは、
どれだけ激しくそう思ったことか。


しかも1番長いであろう2学期に。

泣きたい気分だった・・・・・・



しかもこだわるくせに、
面倒くさいが理由で席替えは1学期で1回。





「や、やっぱいいや・・・・・」





前に勝手に席を変えた経験がある郁也は、
地獄の課題を思い出して身震いした。