眉をひそめながら、
小悪魔を見つめて首を傾げる。




俺がいつも言われる言葉は




『冷たい』


『冷めてる』


『雰囲気が怖い』





とかいう、
なんか微妙なヤツばっか。




優しいなんて、
柔らかいこと言われたことない。




「えー? 谷澤君優しいよ?」


「どこが?」


「えーっとねぇ・・・・・」




少し考えて、
ひらめいたように




「この前、消しゴム拾ってくれた!」



にっこり、
なぜか嬉しそうにそう言った。





「あとね、女の子が日直のとき
黒板の高いところ消してあげてた。

重い荷物とか持ってあげてた。

男の子には、
勉強教えてたのも知ってる!」