ひょこっと俺の顔を覗き込み、 至近距離で目が合う。 小悪魔の大きな瞳に、 俺の姿がはっきり映った。 やべ・・・・・・・・ おかしくない程度に、 小悪魔から目をそらす。 「どうしてって、 歩きにくいだろでけーし」 「少しは歩きにくいけど、 スリッパよりかはましだと思うよ」 「あそ・・・・・・」 短い返事をしたのに、 何故か満面の笑みの小悪魔。 「やっぱり、谷澤君は優しいね」 ――――優しい? 「俺、人にやさしいとか言われたことないけど?」