次の言葉を聞いた途端、私の目から涙が溢れた。
これは間違いない、嬉し涙だ。
《叔父さんは全力で、八智絵を護ってみせる。》
それは、お父さんからってこと?
お父さんを含める全てのものからってこと?
…何からでもいい。
だって叔父さんは昔から私に優しい。
虚勢でも構わない。
優しい叔父さんなら、本当に護ってくれるかもしれない。
叔父さんの言ってくれた言葉は何よりも格好良いよ。
「…護って、ほしい…。」
小さく返事をする。
すると電話口の叔父さんは短く「分かった」と呟いて、
《…嬉しいよ。俺も、八智絵と離れるのは寂しいから。》
ひどく安堵したような声を出した。
護る、だなんて、簡単な筈ないのに。
叔父さんもきっと、同じような痛い思いをするだろうに。
でも叔父さんは約束を破らないから、どんな痛みも耐えるんだろうな。
私を、必ず護ってくれるんだろうな。
「私も嬉しいよ…叔父さん。」



