姪は叔父さんに恋してる



頭は至って冷静。
なのに声は震えっぱなしで、涙もボロボロ止まらない。

電話の向こうの叔父さんは吃驚したのか、完全に言葉を失っていた。

構わず、私の言葉は感情のままに発されていく。


「…私っ、叔父さんを…、悪く思ったことなんかない…!
だからっ、お父さんに…怒鳴られる覚えもッ、ぶたれる覚えもないっ!

叔父さんを好きなことが…っ、なんでいけないの…!?」


訊く…というより、ぶつけるといったほうが正しい気もする。

最低なのは叔父さんじゃなく、私。
叔父さんを弁護したいんじゃなくて…これじゃ自分の想いばかりをぶつけているのと一緒だ。


言い終えてから、私は言葉に詰まって…荒く何度も呼吸をした。

もう声は震えなくなったけど、叔父さんには今の状況が全て伝わってしまったらしい。

…何も、言ってくれない。