「…お、おじさ…っ!」
《八智絵、落ち着いて。
何があったのか話してくれ。》
駄目。言わない。
叔父さんを困らせるのは嫌だ。
「…ッ、おじさん…は、最低なんかじゃっ、ない!」
泣きたくないのに。
何もなかったように、普通に叔父さんと話したいのに。
「わたし…っ叔父さん、大好きなのに…!
おじ、さんのっ、こと…、悪く言われて…っ、わたし…!
…すっごく…、悔しくて…!」
なんで私は…叔父さんのこととなると思った通りに出来ないんだろう。
もう悔しさも嬉しさもごちゃ混ぜだ。
電話口なのに大きな声を出して泣いて…恥ずかしさも湧いてきた。
でも、悔しいんだ。
叔父さんを侮辱されるのは、息が出来なくなるほど苦しい。
考えとは裏腹に、私は聞いて欲しかったんだと思う。
叔父さんは侮辱されるべき人間じゃないって。



