「八智絵ー!ご飯出来たから下りてらっしゃーい!」
そんな停滞状態を打ち破る、お母さんの号令がかかった。
そう言えば我が家はいつもこのくらいの時間に夕飯だっけ。
このままケータイ見つめてても埒があかないだろうから、私は大人しく食卓に下りることにした。
お腹も空いたし。
「はーい!今行くー!」
大きく返事をし、トモミくんとケータイをベッドに置いてから部屋を出る。
そのうち。
そのうちだよ。
ふとしたときに電話がかけられるかもしれないし、もしかすると叔父さんから電話が来る…かも。
最後の最後まで渋っていたけど今は空腹には勝てず、私は素直に階段を下りていった。



