でも、仕事の邪魔と見なしたらお母さんはすぐに「返しなさい」と言うに決まってる。
案の定、お母さんは何か言おうと口を開きかけた。
「あ、姉さん怒らないでやってくれ。
仕事で使わなくなったものだからいいんだ。」
なんと、叔父さんもすかさず嘘を吐いてくれた。
ビックリして目を丸くする私と視線を合わせ…叔父さんは軽くウインク。
体の中にビリリと電流が走った…気がした。
「そうなの?んー、智充が言うなら信じるわ。
八智絵、後でちゃんとお返しするのよ?」
叔父さんの言葉を素直に信じるお母さん。
私は嬉しくて、
「勿論!」
また元気に嘘を吐いた。



