姪は叔父さんに恋してる



「そうだ、八智絵。」

「ん?」


ふと、叔父さんの綺麗な声が私の名を呼んだ。

腕を抱いたまま見上げれば、叔父さんの手にはさっきの紙袋。


「?」


それは確か、叔父さんが自分の仕事道具だ、って…。


「林檎とは別に、八智絵にだけプレゼント。
俺の地元で、知り合いが雑貨店を開いていてね。
八智絵が好きそうなものを選んだつもりだ。」

「え………?」


今聞いたこと…夢じゃないだろうか。

叔父さんの紙袋の中に見える、更に小さい花柄の紙袋。
それは明らかにサラリーマンの持ち物にしては不釣り合いだ。

つまりそれは、本当に私に贈るためのプレゼント…?


「叔父さん…これ、本当に貰っていいの?」


息を薄く吐きながら訊ねると……いや、訊ねている感覚なんかなかった。

だって、叔父さんが嘘を吐くわけないってことを知っているんだから。