リビングに着いて無理矢理ソファに座らせると、私はそのすぐ隣に腰を下ろした。
腕にギュッと抱きつき、所有物を目一杯にアピールする。
「八智絵、あまり懐くな。」
そういう声も、ちっとも嫌そうじゃない。
そんな優しさを利用する私は、叔父さんとは違ってとても意地が悪いんだろうな。
「だって法事のときは雰囲気的に甘えらんなかったもの。
叔父さんは、私と一緒にいるの嫌?」
上目遣いなんて叔父さんにしかしない。
こうすれば、少しはときめいてくれるんじゃないかって期待がある。
叔父さんはやっぱり、私を拒絶したりしなかった。
「年頃なんだから、お父さんに見つからないように甘えなさい。」
そう言って、私のおでこに頬擦り。
猫がするみたいに、叔父さんも私にじゃれてくれた。



