姪は叔父さんに恋してる



叔父さんの手を引いてよろめかせながら、私は強引にリビングまで引っ張っていった。

後ろで、可笑しそうに笑うお母さんの声が聞こえる。


…悪いか。叔父さんは私のだ。


「おいおい、八智絵、少しくらいお母さんと話をさせてくれても…。」

「ダメ!長くなりそうだから。
大人は手短に話さなきゃいけないんだよ。」

勝手な決まりを作って、サクサク先に進む私。

それでも叔父さんが嫌がらないのは、これも私の甘えだと思っているからだろう。


…さっきの、お母さんと話したときの叔父さんの顔…凄く楽しそうだった。

なんか…打ち解けた感じ。
私のときには見せてくれない、無邪気な顔…。


それが無性に悔しかった。

私より、お母さんのほうが大事に思えて、凄く妬ましかった。