「これでも少ないほうだ。
別の知り合いには30個送ったよ。」
「あなたもしかしてトラック何台分も貰ったんじゃないでしょうね?
有り得るわぁ。昔からあなた、ちょっと抜けてたから。」
「酷いな姉さん。家族想いな弟に向かって。」
「ふふふ、何言ってるのよ自分で。」
お母さんが何か言えば、叔父さんがすぐに返事をする。
姉弟なんだからそのくらい普通なんだろうけど…、
「……………。」
私は人知れず、心の隅で黒いモヤモヤを育てていた。
…これはよく言う、嫉妬。
これ以上の二人の楽しげな会話を見ていたくなくて…、
「ほーら叔父さん!
ウサギ林檎作る約束!」
私は、無理矢理割って入った。
「あら?八智絵、ウサギ林檎はもう食べないんじゃなかったの?」
「今は別!」



