「さて、じゃあ行こうか。」
荷が軽くなったせいか、叔父さんは気分良さそうにリードする。
私の背中を優しく押して。
駅から家まで歩いて20分。
その間、叔父さんは私だけのものだ。
…そんな考え方をするくらい、今の私は浮かれてるんだと思う。
さっきまで叔父さんが握っていた袋を同じように握り、私の背中にある叔父さんの手の平の温もりを感じる。
駅の構内を出て道路沿いの歩道に出る。
暗がりの中でも、叔父さんの顔だけはハッキリ目に映った。
「叔父さん、その紙袋、何?」
ちょっと気になっていた、叔父さんの右手にある白い紙袋を指差す。
見たことないブランドのロゴが入っているから、叔父さんの地元のものかな?



