中を覗けば、赤々とした林檎がひとつふたつ…。
とにかく袋一杯に入っていた。
こんな量をくれるなんて、どれだけたくさん貰ったんだろう。
でも、男の人なら女の子に重い物持たせないんじゃないかな?
「叔父さん男でしょ?
このくらいちゃんと持たなきゃ。」
「いや、叔父さんも年だから。
八智絵は若いから、このくらい持てるだろう?
年寄りを助けると思って。」
年寄りって…。
33歳なんてまだまだ若いのに。
自虐してみたりふざけてみたり…そんな叔父さんも可愛くて好きだけど。
何より、困ったように笑う顔がとっても素敵だから、断るなんて選択肢は私の頭には無かった。
口では文句言いつつ、差し出されたビニール袋を私は両手でしっかりと受け取った。



