こうなっては、私がとれる行動はただひとつ。
逃げることだけ。
扉を開いた際後ろを向くと、叔父さんが血相を変えて追ってくるのが見えた。
店の最奥と入り口。
距離は大きく空いている筈なのに、叔父さんの姿を見ると何故だろう。
とても、距離が短く感じる。
そしてその短さが余計私を不安にさせる。
叔父さんの顔を見たのは一瞬だけ。
そこからはもう前だけを向いて一目散に走り出す。
店を出て、元来た道を逆走。
すれ違う人々は急ぐ私を不思議そうに見送り、その後から疾走して追いかける叔父さんの姿を喫驚の眼差しで見送った。
「八智絵!!」
…叔父さんが呼んでる。
でも駄目だ。
止まれと言われたって止まりたくない。
あんな場面見せられたら、叔父さんの顔なんかまともに見られない…。



