姪は叔父さんに恋してる



《迎えありがとう。八智絵。》


通話中のまま、改札を出た叔父さんは優しく微笑み、私にそう言った。

私よりも高い背が…、20代でも通用しそうなくらい、鼻筋通った綺麗な笑顔が…、一歩ずつ私に近付いてくる。


スーツ姿の印象が強い智充叔父さんは、2ヶ月前に会ったときと何も変わっていなくて、

私には、それが凄く嬉しかった。


「叔父さん!」

たまらず、私は駆け出した。


叔父さんの右手にはビニール袋と紙袋。
左手にはケータイ。

だからしっかりあいてるお腹に抱き付く。


勢いがつき過ぎてタックルみたいになったけど、叔父さんは全然よろめかなかった。

周りの視線が突き刺さる。


「昔から甘えん坊だな八智絵。
久しぶり。元気にしてたか?」

いきなり飛びつかれたのに少しも嫌がらず、逆に叔父さんは優しい手つきで私の頭を撫でてくれた。