「は、初めて、です。」
何事かと身構えれば、清原さんは一層表情を柔らかくする。
まるで、我が子を見守る母親みたい。
「良かったらもうちょっと見て行ってくれない?
貴女を見てるとね、何故か懐かしい気持ちになるの。」
懐かしい気持ち?
初対面…なんだけど…。
でも私自身、まだこのお店から出たくなかった。
可愛い物もたくさんあるし、他のお客さんがいなくて静かだし。
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
ぺこりと頭を下げると、窓際のバスルームセットを見に走った。
後ろで、清原さんの笑い声が聞こえる。
…懐かしいって、どういう意味なんだろう。
私が誰かに似てる?
娘さん、とか?
でも清原さんはそんな大きな子がいるような年齢には見えないし…。
「…なんか、引っかかるんだよなぁ…。」
胸のざわざわが、より深まった気がした。



