叔父さんのことを考えると無意識に手が動く。
鞄の中のケータイに伸び、開いて、電話帳の中のとある番号を呼び出す。
私は、叔父さんに電話をかけようとしていた。
電車内で通話がいけないのは子どもでも知ってる。
頭では分かってる。なのに、手は止まらず、
発信ボタンを押した。
すぐに耳に押し当てる。
鳴り出したコール音が不快だった。
私が聴きたいのはこんな電子音じゃない。
叔父さんの声なんだ。
…そう。全ては、叔父さんの声を聴きたいがため。
「…この前は変なこと言ってごめんね。」
3回のコール音。
「でも叔父さんも悪いんだよ。」
4回目のコール音。
「仲直りしたいよ。
だから嫌わないで。」
6回目のコール音。
「好きだよ、叔父さん…。」
コール音が、途切れた。



