途端に私の欲求が膨れ上がる。
「伯母さん!
このお店どこにあるの!?」
ライアートに行きたい。
私が知らない叔父さんの軌跡を知りたい。
本人と連絡を取る勇気は無いのに、こういうことには積極的になる自分はなんて現金なんだろう。
伯母さんは私の変わり様に驚いていたけど、
「智充叔父さん家の最寄り駅知ってる?K原駅。
そこ、目の前工事してるんだけど、工事現場を右に曲がるとすぐに見えてくるわ。
ドールハウスみたいな可愛い水色の屋根よ。」
快く教えてくれた。
「K原駅…。」
工事現場を右に曲がってすぐの水色の屋根…。
ドールハウス…。
ライアート…。
情報を頭に叩き込むと、私は弾かれたようにリビングを飛び出し、自分の部屋に走る。
「あ、ちょっと八智絵!?」



