待たせただなんて…。
私が着いたのは1時間も前なんだから、叔父さんが謝ることないのに。
…なんて、気を遣わせるから絶対に言わないけどさ。
予定通りの到着なのに待たせたことを気にしてくれる叔父さんも、大好き。
時計に向いていた私の目は、すぐさま改札に釘付けになった。
叔父さんが見えたら、真っ先に手を振ろう。
そう考えて。
「改札に見えたら、大きく手振るからね。
目の前だからすぐに分かるよ。」
《ああ、助かるよ。よろしく。》
ああ…!至福!
改札過ぎれば会えるのに、私も叔父さんも通話を切ることはしなかった。
叔父さんは、一方的に切るのが悪いと思ってるんだろう。
私が切るのを待っているのかも。
でも、私は叔父さんに指摘されるまで絶対に切らないつもり。
叔父さんとの電話を切るなんて勿体無いもの。



